いじめ防止基本方針

平成30年度たつの市立揖保小学校いじめ防止基本方針

1 はじめに

いじめが社会問題化して以来、学校においては、人権に関わるいじめの問題が深刻な課題となっている。家庭や地域においても少子化、核家族化、価値観の多様化等とも相まって、教育的機能が低下しているという指摘もある。

いじめは、いじめを受けた子どもの権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に深刻な影響を及ぼす行為であり、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。さらに、近年、インターネットを介したいじめが増加するなど、複雑化、多様化するいじめの問題を踏まえ、その解決を図るために、学校、家庭、地域は互いに連携協力し、その変化にも対応できる取組の推進に努めなければならない。

このたつの市立揖保小学校いじめ防止基本方針は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)を踏まえ、全ての子どもがいじめを行わず、いじめを放置することがないよう、学校総がかりでいじめに対峙するため、本校におけるいじめの防止等(いじめの未然防止、早期発見、早期対応をいう。以下同じ。)の基本的な方針等を示すものである。

 

2 本校の方針

本校は、「自ら意欲的に学び、共にこころ豊かに生きる児童の育成」=わかる喜び・できる喜びに満ちた学校づくりのなかで=を学校教育目標と定め、「夢」や「志」を抱き、心身ともに健康で、豊かな人間力を身に付けた児童を育てることをめざしている。

校地は、たつの市の中心部を少し南に下がったところに位置し、西には揖保川、東には林田川が悠然と流れている。昔から、稲穂波打つ揖保の里と言われ、実り豊かな肥沃な地域である。また、林田川流域には、皮革産業日本一を自他共に認める工場群がある。

保護者や地域住民は、学校教育進展のためや児童の安全を見守るための「学校応援団」の設置を積極的に行い、新しい時代に応える学校づくりや人づくりに大変熱心で協力的である。

いじめについては、「いじめは、どの学級にも学校にも起こり得る」という認識をすべての教職員がもち、好ましい人間関係を築き、豊かな心を育てる「いじめを許さない土壌づくり」に取り組むために、以下の指導体制を構築し、いじめの防止等を包括的に推進する。

 

3 いじめの防止等に関する基本理念

いじめの防止等の対策に関する基本理念を次のとおりとする。

○ いじめは全ての児童に関係し、全ての学校で起こり得るものである。このことを十分に認識した上で、全ての児童が安心して学校生活を送り、様々な活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。

○ いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。また、いじめを受けた児童の心身に深刻な影響を及ぼす行為である。これらのことを児童が十分に理解し、全ての児童がいじめを行わず、いじめを認識しながら放置することがないようにすることを旨として行われなければならない。

○ いじめを受けた児童の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、学校、家庭、地域その他の関係者の連携の下、総がかりでいじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。

 

4 いじめの防止等に関する基本的な考え方

(1) いじめの理解

「いじめ」とは、児童に対して、当該児童が在籍する学校に在籍しているなど当該児童と一定の人的関係にある他の児童が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童が心身の苦痛を感じているものをいう。

以下はいじめについての基本的な認識である。

① いじめはどの子どもにもどの学校でも起こり得るものである。

② いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。

③ いじめは大人には気づきにくいところで行われることが多く発見しにくい。

④ 嫌がらせやいじわる等、多くの児童生徒が入れ替わりながら加害も被害も経験する。

⑤ 暴力を伴わないいじめであっても、繰り返されたり、集中的に行われたりすることにより生命、身体に重大な危険が生じる。

⑥ いじめは、その態様により暴行、恐喝、強要等の刑罰法規に抵触する。

⑦ いじめでは、加害・被害の二者関係だけでなく、いじめを助長する観衆、いじめに暗黙の了解を与えてしまう傍観者も存在する。この傍観者から仲裁者への転換を促すことが重要である

 

(2) 児童の発達期の特徴といじめの防止等

① 小学校低学年

大人が教える中で善悪についての理解と判断ができるようになり、言語能力や認識力も高まるとともに、自然等への関心が増える時期である。しかし、少子化や遊びの形態の変化等による子ども同士のふれ合いや自然体験等の減少から、その発達段階として必要な社会性を十分身につけないまま入学し、集団生活になじめない、いわゆる「小1プロブレム」が顕在化することもある。

この時期には、「人として、行ってはならないこと」についての理解や集団のルールを守る態度など善悪の判断や規範意識の基礎の形成、自然への畏怖や美しいものに感動する心を持つなど感性の涵養が重要である。また、自分の非を認めて謝る、相手の過ちを許すなど、相手の気持ちになって考え、温かい心で他者に接する態度を身に付けさせることも重要である。

また、オンラインゲームなど、遠く離れた人と交流する場合は、相手を傷つける場合もあることを、子どもの状況に応じて考えさせることが大切である。

② 小学校高学年

自分のことを客観的にとらえたり、自己肯定感をもつようになったりする時期であるが、一方では発達の個人差も顕著になりはじめ、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。また、集団活動に主体的に参加する中で、集団の決まりを理解したり、自分たちの決まりを作ったりするようになるが、一部には、閉鎖的な集団をつくったり、付和雷同的な行動をとることも見られる。

この時期には、自己肯定感を育み、思いやりの気持ちや自他を尊重する意識を涵養し、集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成を図るとともに、公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にしようとする態度を身に付けさせることが重要である。

また、インターネット上の書き込みが人を傷つけたり、自分がトラブルに巻き込まれたりする危険性があることを理解させるなど、情報モラルの基礎を培うことも必要である。

 

5 いじめ防止等の指導体制・組織的対応等

(1) 日常の指導体制

いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、管理職を含む複数の教職員、心理等に関する専門的な知識を有するその他関係者による日常の教育相談体制、生徒指導体制などの構築を充実させるための「いじめ対応チーム」を中心とした組織体制を定める。

また、いじめは教職員や大人が気づきにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、教職員が児童の小さな変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期発見のためのチェックリストを別に定める。

 

(2) 未然防止及び早期発見のための指導計画

いじめの防止の観点から、学校教育活動全体を通じて、いじめの防止に資する多様な取組を体系的・計画的に行うため、包括的な取組の方針、いじめの防止のための取組、早期発見の在り方、いじめへの対応に係る教職員の資質能力向上を図る校内研修など、年間の指導計画を別に定める。

 

(3) いじめを認知した際の組織的対応

いじめの疑いに関する情報を把握した場合やいじめを認知した場合は、情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。

 

6 重大事態への対応

(1) 重大事態とは

重大事態とは、いじめ防止対策推進法第28条で、第一号「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」、第二号「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合と認めるとき」とされている。

第一号については、いじめを受ける児童の状況で重大事態と判断する。児童が自殺を企図した場合はもちろん、暴力行為等により身体に重大な傷害を負った場合や金品等に重大な被害を被った場合などのケースが想定される。

第二号の「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、児童が一定期間、連続して欠席しているような場合には、事案により学校が判断する。また、児童や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。

 

(2) 重大事態への対応

校長が重大事態と判断した場合、直ちに、たつの市教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体となって、いじめ対応チームに専門的知識及び経験を有する外部の専門家等を加えた組織で調査し、事態の解決に当たる。

なお、事案によっては、たつの市教育委員会の判断により、「市教委の附属機関」及び「県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織」が実施する調査に協力する。

 

7 その他の事項

○誰からも信頼される学校を目指し、開かれた学校となるよう情報発信に努める。いじめ防止等についても、地域とともに取り組む必要があるため、策定した本方針については、学校のホームページなどで公開するとともに、PTA総会や学校行事などあらゆる機会を利用して保護者や地域への情報発信に努める。

○いじめ防止等に実効性の高い取組を実施するため、本方針が、実情に即して効果的に機能しているかについて、「いじめ対応チーム」を中心に点検し、必要に応じて見直す。本方針の見直しに際し、学校全体でいじめの防止等に取り組む観点から、児童の意見を取り入れるなど、いじめの防止等について児童の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意する。また、地域を巻き込んだ学校の基本方針になるように、保護者等地域からの意見を積極的に聴取することにも留意する。

○児童から集めたいじめアンケートやいじめを調査した資料は児童が卒業するまで、また、それらをまとめた資料は、児童が卒業後も5年間保管する。